私は昭和49年生まれ。元号が平成に変わったのは14歳ごろですので、どっぷりと昭和世代でございます。
酒を覚えた18歳のころから立ち飲み屋やら安居酒屋に好んで出入りし、哀愁ただようサラリーマンを横目に酒を呷り、「早くおっさんになりたい」という願望を抱いておりました。
同じ世代の若者の「キラキラ感」とか「チャラチャラ感」とかが鼻について、俺も同じ人種なんだと思うとむずむずとした自己嫌悪を抱いていました。
そんな自己嫌悪も年を重ねていく道中のどこかで置き忘れ、いまでは私自身が哀愁漂わせるおっさん側の人間。
若者が発するキラキラ感が、眩しく見える年齢にまで昇華いたしました。
若い頃に好んでいた立ち飲み屋やら安居酒屋といった、今でいう「昭和の香り」漂う酒場はおっさんになった今でも好んでおりまして、私にとっては至極落ち着いて飲める憩いの場でもあります。
なんでこんな話題から入ったかといいますと、初のヤンゴンで一杯引っ掛けようと訪れた19th Streetが、焼き鳥屋が集中している安酒場通りだったからです。
通称”焼き鳥通り”の19th Street
19th Streetはスーレーパゴダから1kmほど西にあり、南北に300メートルほど伸びています。この通りに焼き鳥屋10軒近くが集まり、各店から放出される煙によってうまそな香りが立ち込め、誘われ、気付いたら席についてビールを片手にしているから恐ろしい。
東南アジア各国には屋台が密集しているエリアは珍しくないけど、焼き鳥屋ばかりが集まっている通りは、類を見ないように思います。
歩行者天国ならぬ焼き鳥天国の19th Street。
ヤンゴンで出会った安居酒屋の香り
メニューに載っているものを注文してもよろしいけれど、19th Streetでの王道スタイルは、軒先に並べられている串を自身で選んで、それを焼いてもらうのが一般的のよう。
私も彼らを見習い、陳列棚の前に立って品定め。
一見して分かる具材は問題ないけれど、なんだか分からないものも多く、それでも食べてみたいからあれやこれやと選んでみます。
私は2軒ほどをハシゴしてみたところ、串のまんま出てくるところもあれば、焼きあがった具材を串から外し皿に盛って出してくる店もあったりとそれぞれ。
半屋台のような店で、19th Streetを往来する人々を眺めつつ、串焼きを頬張りながらビールで喉を潤していると、酒を覚えたての頃よく行った、昭和の香りただよう安居酒屋を思い出した次第です。
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